豊嶋敏弘

澄んだ音色が架け橋に!
穏やかにひろがる
大正琴の愉しみ。

豊嶋敏弘さん

まんのう町東高篠在住、昭和31年生まれ
“御年配の方々向けの伝統的な習い事” … 失礼ながら大正琴に対してそんな漠然としたイメージしか持っていなかった。ここは『百聞は一見に如かず』そして『百考は一行に如かず』、取材にお伺いしたのもご縁ということで、豊嶋さんの御言葉に甘え、少し手ほどきを受けてみることにした。一見タイプライターのような鍵盤には数字が記されている。数字譜で示す数字に合わせて左手でキーを打ちながら、右手はピックで4本の弦を弾き音を奏でるという仕組み。「誰でも簡単に楽しく弾けるということがイチバンの特長です。」と豊嶋さん。滑らかなメロディにはならなかったが、初めて弾いたこの私にもあの澄んだ音色を発することができた。譜面も分りやすく子供から年配の方まで誰でもたしなむことができそうだ。

豊嶋さんが大正琴と出会い、教室を始めようと思われたきっかけは、御親類からの依頼で他県での発表会に携わったことから。その後、演奏や指導技術を学び、地元で《 琴修会 さぬき琴平支部 》を発足、支部長として大正琴の普及活動の傍ら、地域文化・社会貢献活動に尽力されている。なかでも福祉施設の慰問は、なんと年間80件以上!超多忙な毎日を送られている。教室の様子をしばらく拝見させて頂いた。和やかな雰囲気の中、上級者はもちろん初心者の方も一緒になって楽しまれている。「初心者は上手く弾けないのが当たり前。上級者と一緒に弾くことで演奏の楽しさを感じとって頂き、根気よく何度も繰り返し練習し進んで学ぼうという意識を持ち続けて欲しいんです。」 近年、習い事や教室の受講者数/会員者数は、地域・分野に限らず減少傾向にあり主催者の悩みのタネとなっている。そんな中、《 琴修会 さぬき琴平支部 》の会員は着実に増加している。「会員さんはいい方ばかり。そんな方々から口コミで伝わり入会される方もまたいい人達ばかり。特にご年配の会員さんには大正琴をお教えしながら 逆にたくさんの人生勉強をさせて頂いてます。」そう話す豊嶋さんの人徳なのだろう、発表会ともなれば、会員・同好会の方々はじめ小学生までもが大挙して準備に参加されるという。みんな一丸となって盛り上げる発表会は感動・感銘で毎回大喝采に包まれる。

今年、大正琴は大正元年よりちょうど生誕100周年を迎えた。みなさんも是非“日本人の心の琴線”に触れてみてはいかがだろう。
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